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『泰平ヨンの未来学会議』スタニスワフ・レム のご紹介

こんばんは、おもちΩです。

またまたレムですが、この作品は『コングレス未来学会議』というタイトルで映画化を控えた、レムの泰平ヨンシリーズの一つです。名古屋では7月18日(土)に今池のシネマテークで上映が始まります。前売り券を予約すると特製ステッカーがもらえるらしい。

名古屋シネマテーク/前売り券販売のご案内


さて、泰平ヨンシリーズはレム作品の中でもかなりポップな内容と言えるかと思います。私も思わず吹き出してしまったシーンや、数行進んでからじわじわ口角が上がってくるような描写もありました。また、言葉遊びとブラックジョークを絶妙に織り混ぜた文章の羅列で、畳み掛けてくるような勢いもあります。さらに、泰平ヨンという主人公がなかなか良い男で、生真面目な性格は容易に見て取れるのですが、その真面目さが可笑しさを誘いますし、そうかと思えばストレートな力技で物事を片付けようとする突飛な一面もあって、これもまた可笑しいのです。

そんな泰平ヨンが、未来学会議の最中に絶え間なく体験する精神的トリップと、入れ替わり立ち代わり訪れる世界の大混乱を、コミカルかつ風刺的な要素も交えながら描いたのが『泰平ヨンの未来学会議』です。いくつもの仮想未来を体感し、そこからの覚醒と没入を繰り返したヨンですが、最終的に行き付いた華やかな未来の世界は、蓋を開けてみるとまさに地獄絵図・・・人口過密を迎えた人類は、おぞましい変貌を遂げていたにも関わらず、誰一人その事実に気付かないよう薬物の投与を受け続け、美しい幻覚の世界を生きていたのでした。未来の先を旅するヨンは、元いた世界に戻ってこられるのでしょうか。

こうした幻覚と現実の悪夢的な交錯を描いた作品は他にも色々あるのですが、ぶっ飛んだ内容とは裏腹に、作品世界の一角が私達の実社会にリンクするようなうそ寒さを感じる絶望感は一級品ではないでしょうか。
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