2016年08月の記事 (1/1)

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第6回名古屋SF読書会『カエアンの聖衣』レポート

こんばんは、おもちΩです。

7月30日(土)に開催された、第6回名古屋SF読書会のレポートです。今回の課題本は、イギリスのSF作家、バリントン・J・ベイリーの『カエアンの聖衣』でした!初版は1983年4月に冬川亘氏訳でしたが、近年は品薄状態が続き、なかなか新読者の手に入りにくい作品でした。それが、今年2016年3月に、大森望氏による新訳版が発行されたことで再び多くの人の目に触れられるようになりました。『カエアンの聖衣』は、『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』のアイデアの元になっているということもあり、売れ行きは好調なようで…?

さて、ここからはネタバレを含むレポートとなりますので、これから読むという方はお気をつけ下さい。


会場に到着し、受付を済ませたあとは、いつものように3つのテーブルに分かれました。毎度のことながら非常に丁寧なレジュメ、参加者の方から頂く折り本やテキストも楽しく、開始までの待ち時間を持て余すことなく過ごせました。今回私が着いたテーブルは、『お気らく活字生活』の舞狂小鬼さんが司会を務めてくださるA班でした。

まずはA班メンバーが一人ずつ簡単な自己紹介と作品の感想を述べて行くのですが、満場一致で「面白かった」と高評価でした。この読書会に何度か参加させて頂いて、「アイデアの使い捨て」という表現をいくつかのSF作品において聞いてきましたが、中でも『カエアンの聖衣』はこの表現が本当にしっくりくる作品だと思いました。冒頭のインフラサウンド(※1)と呼ばれる咆哮獣や、この咆哮獣から身を守るためのバッフルスーツといったアイデアだけでも1冊の長編が書けそうなものなのに、最初の一章だけ登場して、それ以降は早くもお役御免です。ほかにも、登場時には何か重要な鍵を握る人物なのかと期待させられたいたずら好きの男、ジャドパーも一瞬で消えました。笑 ジャドパーには一応、物語の主要人物であるマストとペデルを刑務所に送るという役割はあったのですが、それにしては登場時のインパクトに反して、あまりにもあっさりと退場していきました。A班テーブル内で出た意見でも、「これで終わり?!が何度も繰り返される」というものがありましたが、まさにそんな感じで、納得の一言でした。(他の班で「週刊少年ジャンプの連載みたい」という表現は拍手ものでした。笑)また、登場人物の性格が平面的で区別し辛いという意見もいくつか挙がり、作中で共感できるとしたらマストかアレクセイしかいないのではないかというところで落ち着きました。余談ですが、マストが、カエアン製のどのスーツよりもペデルが仕立てた服が一番良いというようなことを言っていたシーンは、作中のキャラクターの中で最も人間らしい感情を描写しているようで、私は胸が熱くなりましたよ。あとキャラクターに関しては、その記号性が稲垣足穂っぽいというご意見も〜。

(※1)個人的にはこのインフラサウンドの描写から、ルネ・ラルーの『ファンタスティック・プラネット』(1973)に出てくる不思議な獣たちを連想しました。


それから各テーブルのホワイトボードを並べてそれぞれの意見をまとめて発表したのですが、やはりどの班もまずは「面白い」ということで、初めて読む方からも、再読の方からも楽しめる作品であったようです。『カエアンの聖衣』に散りばめられた、80年代の心を掴むダサかっこ良さと外連味は現代でも通用すること、作家間では、ベイリーの閉塞感・圧迫感はディックと近いものがあって、ヴァーリィとは対極にあること、英米での評価と日本での評価の差など、様々な裏話も聞くことができました。このレポートは情報量に私の手が追いつかず、少々言葉足らずになってしまいましたが、今回も様々な意見が自由に飛び交う楽しい読書会となりました!
主催者の皆様、司会・板書をしてくださった皆様、参加者の皆様、どうもありがとうございました!


次回の第7回名古屋SF読書会は11月23日(水・祝)に決まったようです。課題本はS.レム『ソラリス』です!いよいよ来たか〜〜って感じです!これは絶対に意地でも参加せねば!その前に、8月27日(土)13:00〜18:00には『名古屋SFシンポジウム』が椙山女学園大学010教室で開催されますので、こちらも要チェックです!

さてさて、相変わらず雑な文章でお恥ずかしい限りですが、第6回名古屋SF読書会レポートはここまでにしたいと思います。それでは〜!(^^)


SFコミュニケーション研究会
おもちΩ
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